AIとプログラミング学習の新しい地平
確かに、ChatGPTを使用してPythonプログラムを作成することは可能です。アドバンスデータアナリシスを利用すれば、さらに効率的にプログラムを実行することもできます。例えば、数独の問題を提示し、その答えを求めるよう指示すれば、Pythonプログラムが作成され、問題が解決するでしょう。Pythonの初心者にとって、これまでできなかったことが可能になるのは間違いありません。しかし、そのプロセスがPythonの学習に役立つかどうかは一概には言えません。
Pythonのコードを自動で生成するツールを手に入れるのは、自習書を手に入れるのと同じです。自習書もコードも読まなければ、Pythonを理解したとは言えません。もちろん、処理の解説を求めれば、各コードの意味は教えてもらえるでしょう。しかし、それだけではPythonプログラミングのスキルは身につかないでしょう。
私が若い頃に言っていたのは、「一言語100Kステップ」という言葉です。これは少し大げさな表現かもしれませんが、一つのプログラミング言語をマスターするには、約10万行のコードを書かなければならない、という意味です。その量を書けば、言語の細かなニュアンスまで理解できるでしょう。
そうして、プログラミングスキルや「プログラミング脳」を養うことができます。私は、未だに初見のプログラムを高い読解能力で理解できると自負しています。その能力を生かせないのは残念ですが、もう自力でプログラムを作成したりレビューしたりする時代ではないかもしれません。そもそも、プログラミングスキルが必要ない時代が来ているかもしれません。
確かに、ChatGPTが間違ったプログラムを生成することもありますが、そのエラー率は人間がコードを書くよりも遥かに低いです。アルゴリズムやエラー処理に関しては、やはり適切なテストケースを作成し、検証する作業は必要です。しかし、品質を極端に追求する必要がないケースもあると思います。