日本人の本離れ
日本人の本離れ、読書量が減っていると言われています。
本離れの実態
本離れは、特に若者を中心に書籍や雑誌などの紙媒体の消費が減少している現象を指します。日本人の本離れに関する具体的なデータとしては、以下のようなものがあります。
- 日本の出版市場規模の縮小: 日本の出版市場は、ピーク時である1996年の2兆3000億円から、2019年には1兆5200億円まで縮小しています。これは、紙媒体の消費の減少とともに、電子書籍の普及が要因となっています(日本出版販売機構調べ)。
- 書籍・雑誌の売上げ減: 2019年の書籍の売上げは、前年比2.2%減の785億円で、雑誌の売上げは前年比6.0%減の335億円でした(日本出版販売機構調べ)。
- 若者の読書離れ: 総務省の「平成30年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、10代の1日あたりの読書時間は平均で12分で、これは全年齢層の中で最も短い時間です。また、読書をほとんどしないと答えた10代の割合は約38.2%でした。
- 図書館利用者数の減少: 国立国会図書館調査によれば、2018年の日本の公共図書館の利用者数は約5億人で、ピーク時の2002年の約6億9000万人と比べると大幅に減少しています。
これらのデータから、日本人の本離れが進行していることが確認できます。インターネットやスマートフォンの普及により、情報やエンターテインメントの入手方法が多様化していることが、この現象の背景にあるとされています。
本離れによるデメリット
日本人の本離れによるデメリットは、以下のようなものが考えられます。
- 読書による教養や知識の習得が減少: 本離れが進むことで、書籍を通じた教養や知識の習得機会が減少し、知識の幅が狭まる可能性があります。
- 情報の質の低下: インターネット上の情報は、必ずしも正確で信頼性の高いものばかりではありません。本や雑誌などの紙媒体から離れることで、情報の質が低下するリスクがあります。
- 集中力や思考力の低下: 読書は集中力や思考力を養う効果があるとされています。本離れにより、これらの能力が低下する可能性があります。
- アナログリテラシーの低下: 紙媒体に触れる機会が減ることで、アナログリテラシーが低下し、将来的には紙媒体が必要な場面で困ることがあるかもしれません。
- 出版業界への影響: 本離れが進むことで、出版業界の売上が減少し、出版社や書店などが経営難に陥る可能性があります。これにより、新たな文化や知識の発信が困難になることも懸念されます。
- 地域の活性化の阻害: 書店や図書館は、地域のコミュニケーションの場としても機能しています。本離れが進むことで、これらの場が失われ、地域の活性化が阻害される可能性があります。
これらのデメリットを踏まえ、本離れの対策や、新たな形での読書の推進が求められています。
本離れの対策
本離れの対策には、さまざまなアプローチがあります。以下にいくつかの対策を挙げます。
- 電子書籍やオーディオブックの普及: デジタル化が進む中で、電子書籍やオーディオブックを積極的に活用し、読書の形態を多様化させることが求められます。
- 読書習慣の育成: 子どもの頃から読書習慣を育てることが重要です。学校や家庭での読書の推奨や、読書イベントの開催、読書の楽しさを伝える取り組みが役立ちます。
- 書店や図書館の活用促進: 書店や図書館が地域のコミュニケーションの場としての役割を果たすよう、イベントやワークショップの開催、新しいサービスの提供などで、魅力ある場づくりを行います。
- 読書を促すキャンペーンやイベント: 読書週間やブックフェアなど、読書を促すキャンペーンやイベントを開催し、本への関心を高めることが効果的です。
- SNSやブログでの書評共有: SNSやブログでの書評や感想の共有を促進することで、読書への興味や関心を高めることができます。
- 著者との交流イベント: 著者と読者が直接交流できるイベントやサイン会、トークショーなどを開催し、本や読書に対する関心を高めます。
- カリキュラムの改善: 学校教育において、読書の重要性を伝えるカリキュラムを充実させ、読書への興味や習慣を育てることが重要です。
これらの対策を実施することで、本離れを防ぎ、読書の魅力や価値を再認識させることができます。
まとめ
紙媒体が必ずしも必要であるとは言えませんが、時間をとって読書したり、特定の本をなんども熟読するといったことは、特に脳のニューロンが固定化されていない若い頃に経験すべきではないでしょうか?また、アウトプットを心がけるのも重要です。著名な作家やデザイナーの10代の大学ノートの記録などを見ると、こういったトレーニングで差がつくのかなとも思います。